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2004年11月21日

ハウルの動く城

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TOHOシネマズ川崎で「ハウルの動く城」を見てきました。

感想ですが、とにかくダメダメです。このダメさを伝えるには、私の乏しい文才には荷が重すぎますね。正直なところ感想を書くのさえ苦痛なのですが(思い出したくない)我慢して書きます。

上映中何度も思いました。「ひょっとして、私は馬鹿なんだろうか」と。目を離さず見ているはずなのに、ストーリーがさっぱり分からないのです。こう思っているのは自分だけで、隣に座っているKYや他の人達はこの作品を楽しんでいるのだろうか?と空恐ろしくなりました。上映終了後、KYの家に戻る道すがら、意見が一致したのでホッとしました。

この作品は一言でいうと、総集編あるいは名場面集です。個々の場面場面は確かに面白かったり、楽しめたりするのですが、連続してみるとてんでバラバラで、繋がりがないのです。うまく言えないのですが、1クールのテレビシリーズから盛り上がる場面だけを取り出したものを想像してもらえればいいと思います。既にシリーズを通して見た視聴者にはよく分かるのですが、初めて見た人は話の展開について行けない。どうしてそうなるかといえば、それほど盛り上がりはしないけれど、名場面を繋ぐためのエピソードがごっそりと抜け落ちてしまっているからです。

それが「ハウルの動く城」の正体です。例えば主人公ソフィーとハウルの恋にしても、どうしてソフィーとハウルが惹かれ合っていったのか、それが全く書かれていないのです(まさか、最初の空中散歩で一目惚れというのは勘弁して欲しい)。他にもたくさんあるのですが、公開直後に書く内容でもないので止めておきます。

こういった致命的な欠点を抱えている作品ですが、悪いことはまだまだあります。ハウルに全く魅力が感じられないのです。木村拓哉の演技力についてとやかく言うつもりはありませんが、少なくとも声優には向いていないと思われます。抑えた演技というと格好いいですが、何のことはない個性のない演技です。それが、あれだけ特徴あるハウルを没個性にしてしまっています。ソフィーに関しては、さすがに18歳の少女を倍賞千恵子が演ずるというのは無理が……。

宮崎駿監督の作品はどれも大好きでしたが、今作に関しては我慢できません。どうしてこんな作品を作ってしまったのか、今までの実績を考えると不思議でなりません。この映画は未完成品でDVDで完全版が出ますと言って欲しい、そんな埒もないことを考えてしまうほど酷いものでした。

レイトショーの料金(1200円)で見ることができたのが唯一の救いでした。……嘘です。見たのを後悔しています。この作品を見たせいで、先に見た「雲のむこう、約束の場所」のイメージがすべて吹っ飛んでしまいました。「ハウル」のダメっぷりがあまりにも酷すぎます。こんな風に思うのは私(とKY)だけですか? 世間一般の人達はこの作品を傑作だと思っているのですか? 私の感性が古いのでしょうか? 今後、いろんな人達がこの作品を見た感想をblogなり日記なりに書くと思いますが、それを読むのが楽しみですね。

投稿者 sai : 2004年11月21日 01:48

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